歯の破折・・?
歯の破折は、歯が折れてしまう事です。
いかにも、痛そうですよね・・
ヒヅメや骨などのかなり堅いものをお留守番中に噛んでいたり、
あるいは、フライングディスクで遊ぶ(ボーダーコリーに多い)、
高い所から落下して起こるケースもみられます。
折れた程度と折れてからの時間経過により治療法は異なります。
ある時突然、口腔内から出血がみられたり、
キャン!と鳴いた後から、片側で食事しているなど、
その場合、破折で歯髄が露出(露髄)してしまったかもしれなく、
犬歯あるいは上顎の第4前臼歯などが折れてしまっている可能性が高いです。
露髄を放置しておくと、
いずれは歯の根元に炎症が生じ(歯根膿瘍)、
様々な症状を呈します。
しかし、ほとんどの患者さんでは、
後になって破折に気が付くケースがほとんどです。
このワンちゃんは、上顎の第4前臼歯の破折を起こし来院されました。
上写真の色が悪い歯が破折した歯です。
頭部分のエナメル質が剥がれ、
この部分からは若干の出血が認められます。
また、歯肉に接する歯の色が悪くなっている所は、
縦割れしたエナメル質部分です。
歯冠歯根破折といわれる状態で、
このケースが多くみられます。
歯質の状態は良くないと判断され、
またレントゲン検査では歯根膿瘍が疑われたため、
飼い主さんとの相談の結果、
抜歯を行う事となりました。
上顎第4前臼歯の
分割抜歯後に粘膜縫合を行い、処置は終了となり、
痛みから解放されました!
一日一回はお口を観察して、破折がないか観察しましょう。