猫の流涎(よだれ)過多や口の痛みはありませんか?
猫ちゃんが、食事中にしきりに口を手で気にしたり、
口臭やよだれが多いなどの症状がみられたら、
口内炎や歯周炎があるかもしれません。
猫の口内炎は慢性歯肉口内炎と呼ばれていましたが、
現在では尾側口内炎(尾側;口の奥の方)と言われます。
尾側口内炎は口の中で2か所以上の場所に炎症部位がみられます。
猫の尾側口内炎のはっきりとした原因は分かっていません。
効果的な治療法は歯を的確に抜くことです。
初めは臼歯を全部抜歯します。
1歳未満の猫ちゃんです。疼痛と流涎過多で来院されました。
口の奥の方がただれています。出血もみられます。
歯の横の歯肉や頬の粘膜も赤くなっています。
下顎の歯の周囲も腫れやただれ、出血がみられます。
1歳未満と大変若いですが、重度の口内炎がみられます。
今後も生活の質が良くない状態が続く可能性があり、
臼歯全てを抜歯しました。
上顎の抜歯後所見です。
粘膜をしっかり縫合すると、経過はより良くなります。
下顎の術後所見です。
次の日から食事を食べてくれました。
猫の尾側口内炎は経過が長い場合、
臼歯あるいは全抜歯を行っても予後がよくない場合があります。
早期から的確に臼歯抜歯を行う事は重要と考えられます。